その裸の帝王、ライフンヌ7

ボスの訃報が届いたのは突然の事だった。

敬愛するボスの死。

殺したのは内部に潜む裏切り者と共謀者だという。

誰がボスを殺したか様々な憶測が飛び交う中、数年ぶりに訪ねてきた運び屋が手にした一通の手紙から、新たな歯車が回り始める。

重苦しい扉を開け、部屋の中に入るとそこには馴染みの顔が並んでいた。
どうやら俺が最後のようだ。


「…。」


俺はゆっくりと、空いている最後の一席に腰をかけ傍にガチャリと刀を置いた。


鋭い眼光で俺を威嚇する者、何かを探るように声をかけてくる者、泣いている者、ただ黙ってうつむく者、様々な感情が渦巻いている。


しばらく重苦しい空気が漂った後、曲者揃いのこの場をなんとか仕切ろうと運び屋が声を上げた。


懐かしい顔も、よく知らない顔もいるが、全員がボスの死をきっかけに集まった仲間達だ。
この中に本当に裏切り者がいるんだろうか。

そんな話でみんなをまとめようとしている運び屋の姿を眺めながら、俺はふと昔を思い出した。


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運び屋がボスに連絡を取りにいってから暫く、俺は船着場で空を仰ぎタバコを吸っていた。
自分の力で得た命を噛みしめながら、タバコについた火をぼんやりと眺めていた時、運び屋がヘタクソな口笛を吹きながら戻ってきた。

話を聞くと、どうやらボスの元にこれから届けられる金塊は殺し屋の計らいで全て俺達からの土産という事になっていたらしく、
俺達には予定以上の莫大なカネを得た褒美としてその金塊の一部が送られ、刀も俺たちの好きにして良い、ということとなったらしい。


運び屋は随分と喜んでいたが、俺は一度も姿を現さず恩を売るだけ売っていった殺し屋の野郎が気に食わなくて仕方がなかった。


「いつか、顔を合わせる事があったらてめえの刀で腹を捌かせてやる…」


肝心の報酬の分配だが、俺は金塊を全て運び屋に譲ることにした。
本当に良いのか?と運び屋は聞いたが断った。
そのかわりに手にした刀は、ガキの頃振り回していたナイフとは違い随分重さを感じた。


「これが命の重さか。」


剥き出しの刃を空に向け心で叫んだ。
俺は強くなる。
自分の大切なものを守れるように。


俺はすぐにボスへ連絡した。
いつか必ず、あんたもからボスの座を譲り受けると。
ボスは笑いながら、お前がボスに相応しい男になれば自ずとその椅子を手に入れるだろうと言った。

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運び屋はまだ能書きを垂れているが、様子を見るに全く上手くいっていない。


俺はおもむろにボスからの手紙を取り出した。
封筒の中には手紙の他にカードが7枚。
他の者に見つからぬよう、チラリと確認するとKATANA、money、そしてThe BOSSと書かれたカードがあるのがわかった。

それを見た俺は誰にもわからないよう静かに笑った。
運び屋がため息と共に席に戻り、未だ険悪な空気の中、俺は決意と共に声を上げた。


「俺は裸の帝王ライフンヌだ!
生前のボスには世話になった。
だからさっさと始めようぜ。新たなボスを決める闘いを。」


俺は、テーブルの中央に積まれたカードの山に、ゆっくりと手を伸ばした。

俺は必ずボスになる。
手紙を、カードを握りしめ、俺はそう決意した。


ーおわりー

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